『あたしは、先輩が好きだったんです。過去形です』 『そうなの?』 『はい。あたしはもっと別のことに気付いたんです。先輩よりも大きな気持ちに』 温かい気持ちを乗せた笑顔を向けると、先輩も笑ってくれた。 『…叶多か』 『はい、あたしは今森川くんが好きです』 迷うことなく言葉にしたあたしを見て、先輩はそっか、と微笑んでくれた。 『森川くんに気持ちを伝える前に、先輩を好きだったって事をナシにしない為に伝えに来ました』 『うん、ありがとう』