「…――くれませんか?」 あたしがそう言うと、 「ちょっと待て」 それまで黙って聞いていた森川くんは、遮ってその先を止めた。 「おまえ、それマジで言ったのか?」 「うん、言った」 飄々と言ったあとに聞こえたのは、大きなため息。 そして、おまえは本当に…と、呆れた声を出した。 「違うの、最後まで聞いて」 「は?…まぁいいや、で?」 「それでね―――…」