それから、時が経って卒業式の時の話し―――…。 涙で包まれる体育館を後にして、各教室で友達との別れをみんなで惜しんでいた。 「いろいろあったなぁ」 「そうだね」 私はハルと手に持っている卒業証書を見つめ、昔を振り返る。 辛かった過去の出来事までを、愛しく感じてしまうのはどうしてだろうか。 思い出というのは本当に不思議だ。