「今日まで、約束忘れて、他の奴と付き合ったらどうしようって焦ったけどな」

「それはあたしもだよ。春なんか覚えてないんだろうなって思ってたし」

「まぁ、ハラハラしたよな」

「うん。…春、モテるからウザい」

「おまえが言うな。俺がおまえに避けられてた時どんだけ傷付いたと思ってんだ」

「…ごめん」

「諦めきれないから、必死で追ったけどな」

「うん、複雑だったけど、でも嬉しかったのも事実」

寄り添うことは、ずっと前から出来ていたけど、心は遠い気がしてた。

でも、もうそんな不安を抱くことはない。春とあたしは、想い合ってる。


「昔も今もこれからも、ずっと傍にいろよ?」

「わかった。春から離れたら、砂ぶっかけるからね」

「おぉ。莉鈴から離れたら水びたしにしてやる」

ふたりの笑顔が、月明かりのある、星空の下に輝いた―――…。