「ここはやたら思い出があるよな」

「あ…うん、そうだね」

「おまえ良く泣いてたなー…」

「うん」

頷いたあとに蘇る、泣いてる幼い自分。

あたしが泣くたんびに『なくなよ、なきむし!』って、いつも春が言ってたなぁ。

あたしが転んで怪我した時、わんわん泣いた。

春に『みんなみてるだろ!なきやめよ!』そう言われても、恥知らずなあたしは馬鹿みたいに泣いた。

背の高さも、体重もほとんど変わらないのに、春は大泣きするあたしをおぶって、家まで連れて帰ってくれた。

家につく頃には、春はクタクタで足取りが危うかった。

…春の優しさは昔も今も、全然変わらないんだ。


「喧嘩もしたな」

「したね」

目の前にある、この砂場。


春は、トンネルのある山を作りたくて。あたしは、おっきなお城を作りたくて。

おっきな声で喧嘩した。


『やだ!おしろつくるの!』

『やまだ!やま!しろなんかつくんないぞ!』

お城が良いって喚くあたしに、春も譲らなくて、泣きそうになりながら何回も言い返してた。