「だから、玉子焼きが俺のには入ってない」 「………なんで?」 「は?」 彰吾って、玉子焼きそんなに好きだったっけ? 「…焦がしちゃったの。ほら」 焦がした玉子焼きを、恥ずかしながら彰吾に見せた。 ぼーっとしてたら焦げた。 彰吾のお弁当にそんなの入れるわけにはいかない。 でも捨てるのも勿体ないから、わたしのお弁当にだけ玉子焼きを入れた。 「ふーん」 そう言った彰吾に、わたしは訳が分からなくなった。