どうして、そんな平気な顔していられるの?

なんでそんな優しい笑顔を、私じゃない他の子に向けてるの?

苛々と、哀しみ、切ない気持ちが一気に交わった。

そんな私は勢い良く振り返って、政人の背中を目掛けて持っていた鞄を投げる。


「………っ」

…―――ことは出来なかった。辰くんがソレを止めてくれたから。


「鞄がかわいそう」

「………私は?」

「え?」

「私はかわいそうじゃないの?」

今日は楽しく一日が終われると思ったのに。せっかく、みんなで盛り上がっていたのに。