いつものように、わたしは彰吾のもとに向かい、一緒に食べようと誘った。

そして、やっぱり「屋上」と答えた彼の顔は、いつもに増して今日はとても切なかった。


階段を上がり、屋上の扉に手をかけた彰吾。

その背中を見て、わたしの足は止まった。


「…………」

これといった会話はなく、隣のわたしを越して松野さんを見る。

わたし達みたいな付き合い方をしてるカップルって、一体どのくらい居るんだろうか。

そして、わたしと同じ気持ちの人はどう乗り越えているんだろうか。


「どうした?」

立ち止まったままのわたしに気付いたのか、彰吾はそう声をかけてきた。