結婚の条件《オオカミ秘書の恋愛指南》

私は思わず、椅子を立って、給湯室を盗み見。



洋貴さんは食器棚からティーカップを取り出していた。



「コソコソ隠れて何、見てる?」


私に背中を向けてるのに…私の気配を感じ取ったみたい。


「別に…何も…」


彼はあちこち棚を開けながら、コーヒー豆とフィルターが探し、コーヒーメーカーでコーヒーを作り始める。



そんな洋貴さんを私は突っ立って見つめるだけ。
こうして見ると何だか執事の富田さんとしてるコトが同じ?
秘書って執事みたい・・・


「…いくら常務が叔父様だからって…ペコペコ頭を下げる必要はないぞ」


「へ、あ・・・」
コーヒーが出来る間、私は洋貴さんの説教を食らう。