スイートルームの在る階にエレベーターは停まった。



洋貴さんはしっかりと私の肩を抱いて、部屋にエスコート。



真紅の絨毯が敷き詰められた廊下を歩き、部屋の前に到着。



「ビクついてても喰うもの喰う…。それが自然界の掟。オオカミは獲物を前にして…理性なんて働かない…」



「オオカミ??」



「昼は紳士だけど…夜はオオカミさん…」



冗談交じりに言ってるけど…洋貴さんの視線は私を狙うように見つめていた。



ドアにカードキーを差込、鍵を開ける。