結婚の条件《オオカミ秘書の恋愛指南》

「俺の顔に何か付いてますか?」


「……洋貴さんのようなステキな方とこうして巡り会ったコト自体、夢みたいで…」



「・・・」
洋貴さんはグラスを元の位置に戻した。



「夢じゃないですよ。現実です…。俺としては…あまり夢だと思われても…困ります」



「えっ!?」
洋貴さんは急に私を責めるような鋭い視線を向けて来た。




「20歳だから…杏里さんは…俺を王子様とでも思ってるんでしょうね…」



そう嫌味の混じった口調で吐き捨てて、洋貴さんは空のグラスにワインを注いだ。



「・・・」