結婚の条件《オオカミ秘書の恋愛指南》

透真社長は見ていられず、部屋を出る。


「頑張って!!」


美古ちゃんが杏里の右手を握り、必死に励ます。



「後…もう少しだ…」


最後の踏ん張りで、頭が抜けた。


「……」



杏里は俺に指示通り、短促呼吸に繰返す。



そのまま、するりと滑るようにビニールシートに赤ちゃんが出て来た。



「・・・」



俺が赤ん坊を抱き上げた。


ゲンキな産声を部屋中に響く。