「まずはコレを…」


富田さんは俺に茶封筒を渡した。


「コレは?」


「オークションで亡き旦那様の美術品を落札された方の名簿です…」


「俺が受け取っていいのですか?受け取れば…俺は公に致しますよ。富田さん」


「それは承知の上です!」


「あなただって命を・・・」


「妻が…亡くなり…杏里様も嫁がれ、もうこの世界に未練などありません」


「・・・」


俺は富田さんから封筒を受け取った。



「コレは私の懺悔の手紙です…。杏里様に明かすかは栗原様に委ねます」


「・・・」


俺は差し出された手紙も受け取った。