洋貴さんの方が私の妊娠を喜んでいた。



病院で撮ってもらった赤ちゃんのエコー写真を早速パソコンに取り込む。



「お前はあまりパソコンには近づくな…。電磁波は胎内の赤ちゃんには毒だ」


「・・・」


心音も確認できない小さな小さな命を洋貴さんは私以上に気遣う。



向きに怒る洋貴さんに私は笑った。



「杏里?俺は真剣に言ってるんだぞ!」


「分かってます…私よりも洋貴さんの方が喜んでいるんですね」


「・・・自分の血を分けた人間が生まれるんだ…。喜ばしいコトだろ?」



「・・・」



隣に立つ私の腰を片手で抱いた。


「俺は何でも出来るけど…。子供だけは産めない…。杏里…ありがとう」