結婚の条件《オオカミ秘書の恋愛指南》

洗浄を終えて、静に横たわる杏里。



処置中、直視できないぐらい苦悶の表情を浮かべてた。



「血圧も心音も落ち着いてるから、大丈夫だ。洋貴お前も…休め」



「・・・俺は杏里が意識を戻すまで寝ない」



「…杏里ちゃんか・・・お前の彼女か?」



真は俺の隣に立つ。



フルネームは桜庭真(サクラバマコト)

俺と同じ京大医学部出身。


元は大病院の院長の次男坊で内科医だったが、今は…開業医となって、小さな診察所を開いていた。



「元カノだ。一応…昼間別れたんだけど…どうすりゃいいのか・・・分からない」