洋貴さんの両手が私の肩を掴む。



初めから理解していたーーー・・・
洋貴さんがどんな人生を歩んで来たのか…
私はそれを知って彼の腕の中に飛び込んだ。


「あなたの不幸な境遇には同情します…。でも…私はあなたの生き方には同情しません!」



「杏里…!!?」



「ゴメンなさい…洋貴さん。あなたとは一生添い遂げるコトは出来ません…あなたを愛しますけど…私には無理です」



「・・・」


洋貴さんは私の肩から手を離した。



「天然なトコはあるけど…キチンと自分の意思を持っているんだな。杏里は…その歳で立派だ…。俺は少しお前を侮っていた。簡単に落ちると思ってた…」



「洋貴さん…!?」