施設の前に車を停めて、軽く杏里の唇にキス。



「ちょっと??洋貴さん!?見られたら…どうするんですか??」


「…誰も居ないのは、確かめた…」


「だったら、一言…キスすると言ってください…恥かしいです」


杏里の反応はいつも、可愛くて愛しさが溢れる。



俺は先に降りて、トランクを開けた。



色んな事情を抱えて、親と暮らせない、俺みたいに親に捨てられた子供たち。


俺は子供たちの親代わりとなって、愛情を注いだ。



俺の稼いだ大半の金は施設に貢いでいた。


施設内には教会があり、ここの神父さんの慈悲で創設された孤児院。
俺の毎日は朝の礼拝から始まった。