俺は杏里のお願いを聞いて、彼女の親友に会った。


場所は喫茶店。

夜だから人もまばら。


俺の隣に座る杏里はほろ酔いで頬を少しピンク色に染めていた。
目の前の杏里の親友、有栖川怜の視線は俺を食い入るように見つめていた。



「あなた…杏里とは『ゴージャス』で知り合ったらしいけど。『ゴージャス』に問い合わせて見れば…該当した会員居ないって…あなた一体、何者?」



「・・・」


「私にもちゃんと説明して下さい…」



二人で俺を責め立てる。


「ズバリ…栗原さんは杏里の財産目当てね」


「・・・」
否定は出来ないーーー・・・
もともと、玉の輿に乗りたくて杏里と見合いした。


俺を見つめる杏里の視線が辛い。