今まで、誰にも言わなかったーーー・・・


自分の過去。



連れ添う女には…ちゃんと自分と言う人間を知って欲しかった。



嘘を重ねた虚飾の自分ではなく…



本当の自分を。



俺には親も兄弟も居ない。

何も無いトコから、誰よりも努力して此処まで来た。


何も出来ないなら、せめて…杏里の身体の自分のモノである証を残したかった。