「由季のば、かっ」 漏れる嗚咽に耐えながら、僕のことを何度も何度もバカと言う。 何、この可愛い生き物。 そんなことされたらさ、我慢出来なくなるでしょ。 僕は良隆の腕を引いて、そっと抱き締めた。 すると一瞬目を見開いて、イヤイヤと頭を振る。 「好きっじゃ、ないなら…っ!こんなこと……!!」 「好きだよ」 そう囁くと、良隆は先程よりも大きく目を見開く。 「う、そだ……」 「嘘じゃない。良隆が、良隆だけが好きだよ」 泣き出す君がとても愛しい。