涙が零れないように唇を噛み締めてる。


ああ、駄目だよ。

血が出ちゃう。


そっと頭を撫でる。


すると君は少しびっくりして、それから悔しそうにする。


「可愛いね」


本気で思ったから言っただけなんだけれど、君は気に入らなかったみたい。


「うるさいっ」


頭に乗った僕の手をパシンッと振り払った。


そして僕をキッと睨むんだ。


「何でそんなことは言えるのに……!!」


「…言えるのに?」


「…くっ……!」


プライドが許さないんだろう。君がその先を口にするのは。