「沙良……ちゃんと、聞いてな」 先生は言った。 「………うん」 聞くのが怖いよ。 でも、逃げたくない。 何度振られたって、もう後戻りなんかしないんだ。 これが…あたしと先生の恋だから…… 「俺が信号無視した日……何で俺が沙良の事追ったか、知ってる?」 「……分かんない…」 あのときの事……いまでも鮮明に覚えてる。 先生があたしを追うときの必死な顔…… なんでか分からないけど…… 大切な…… …とても大切な事を伝えようとしてた気がして。