動けないし寒いし、もうどうしたらいいの……? 「………うっ……」 涙を堪えていたけど、もう限界だ。 大降りの雨と涙が、あたしの体を濡らした。 「…こっ……わいよぉ…」 誰も来ない。 誰も見つけてくれない。 その孤独があたしを余計不安にさせた。 「どうしたの?」 崖の下から声がした。 覗いてみると、その声の主はあたしと同じ位の年の男の子だった。 この人、あたし知ってる。 どこかで見た事がある―――……… 「………うっ……動けなくて……」 あたしが必死に答えると、彼は笑顔で言った。