美桜は櫂也に叩かれたところを、自分の手で軽く叩いた。 「何か・・・変な感じ。同情なんか、他人にしないのに・・・」 美桜は小走りで櫂也の後ろについた。 「きっと、今日、刺されるのね」 櫂也は美桜の意味深な言葉が気になり、振り返った。 「ん?何か言ったか?」 美桜は指を指して、櫂也を見た。 「あのオブジェに何か刺さってる」 「あぁ、本当だ」 美桜は櫂也の返事を聞くと、そのオブジェまで走って行った。 「刺される。ってどーいう意味だよ」 櫂也は遠くにいる美桜を見て、小さく呟いた。