美桜はベットから身体を起こし、クッションを抱いた。




「私は、学校に行きたかった・・・・親には後悔せずに死んで欲しかった・・・もっと欲を言えば、生きてて欲しかった・・・お嬢様には分かりますか?」




「・・・・・。」




「分からないでしょうね。だってあなたには、桜羅さまが持っている優しさが無い。お金に物を言わせ、自分の欲は金で埋める。あなたが後継者になったら、大道寺は一日で崩壊するでしょうね・・・・。あなたは人に恨みを貰う性格ですもんね・・・大道寺や皇堂グループが世界のトップにいるのは、トップに立つものが、あなたの持っていないモノを持っているからですよ」




井上は言い終わると肩を上下させて、美桜の部屋の前で一礼した。






「クビにしたいのなら、どうぞお好きになさってください。しかし、感じ取ってください。あなたの性格は、一人一人離れていくと・・・」





美桜は部屋の中にある300万の花瓶を、壁に叩き付けた。




「何で、割れないの?」



形がしっかりと残っている花瓶。




「私のプライドだと、言いたいの?」