椅子の背もたれに身体の体重を預け、桜羅はヨワヨワしくそう言った。



「桜羅さん。たぶん、美桜のあの引き金を引いたのは・・・・・・私の知り合いなんです」



「えっ・・・・・?」




莱華はゆっくりと、桜羅に近づいた。




「その人に会ってみませんか?」



「莱華ちゃん?」




莱華は一枚の写真をポケットから取り出した。




「昨日いたのは、桜羅さんがボランティアとしてやっている保護施設の方ですよね・・・?でも美桜は今は分かってくれないと思います。美桜はいつからか、庶民的な心を忘れ、優しい心まで切り刻んでしまったから・・・・。だから、引き金を引いた彼にすべてを託してみませんか?」




「・・・・?」










「今まで貧乏だった彼なら、美桜がいつしか失ってしまったモノを、一緒に探してくれると思うんです・・・・。」