美桜は桜羅の机まで行くと、息を吸った。




「説明して頂きます。桜羅お兄様が、一般人と街を歩いていた。という情報を耳に入れたのですが、聞き間違いでしょうか?でもありえませんよね。大道寺の御曹司である桜羅お兄様が庶民となんて・・・・。」



「美桜それは・・・・」



美桜は一度唇を噛むと、桜羅を睨んだ。






「自覚が無いなら・・・大道寺桜羅が持っている権力を私に頂戴?いらないんでしょう?私のほうがふさわしいのに、ただ男で長男だけで、大道寺の手伝いの扱いが180度も違う。私は、あんたが跡継ぎなんて認めない。人を殺していい社会なら、一番にあんたをやってた。もう、限界だから」





美桜はそう言うと、3-Aから出て行った。




「美桜!どこ行くの?美桜!?」



騒ぎを聞いた莱華は、美桜を引き止めるが軽くあしらわれ、美桜は不機嫌のまま廊下をスタスタと歩いていた。




「桜羅さん・・・。」



「ついに来たかー。どうしよう莱華ちゃん。とうとう美桜を怒らせちゃった」