ぶつかって、櫂也の洋服には、紫のシミが出来てしまっていた。




「今すぐに、同じ物を用意しますわ」



「いいよ。別に」



「そんなに高くないもの、すぐに用意できますし」




すると櫂也は難しい顔をした。



美桜は財布からブラックカードを出すと、櫂也に渡そうとした。




櫂也はその手を押さえると、美桜の耳に唇を近づけた。




「ってめ~美桜さまに何を!?」




櫂也は美桜から離れると、パーティー会場から出て行った。



「・・・っ・・・チッ・・・」



美桜は、櫂也をずっと睨んでいた。


こんなに屈辱的な言葉は初めてだ。