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「どうして今・・・テレビ局なんているんだろう」



美桜は首をかしげて、後ろにあるガラスで自分の姿を確かめる。




「はっ!これは、デートなんかじゃない!」




美桜に櫂也からの電話が来たのは、数日前の事。




「なによ。強引過ぎるでしょう。刺されたのは誰のせいだ、悪いと少しでも思ってるくらいなら、遊びに付き合え。お前がお見舞いに来たことは知ってるんだからな。悪いと思ってないとは言わせない・・・なんて」




美桜は頬を膨らませて、ガラスに映る自分を見た。





「こんなお気に入りのワンピースまで着て、馬鹿みたい」





美桜が来ているのは、人気テレビ局の前。


いや、詳しくは少し離れたところ。




今は夏で大きなイベント的なものをやっているため、人で溢れていた。