「玉木はそう言ってくれてるけど


俺はそんな良い奴なんかじゃない」




先生は太陽が消えて静かに暗くなった空を見つめながら



寂しそうな顔をして続けた




「実はさ


俺の友達精神的にやられてて

とうとう



入院したんだ




俺……



何もできなくて




毎日みんなで会いにいったり


そいつが一人にならないように



俺たちなりに頑張ったんだ






けど…




あいつは……



壱は




入院した」








「そっか」





そんなことしか


あたしには


言えなかった




何て言ったらいいかわからなくて





どの言葉も今の先生を


その友達も救える気がしなかった




でも




でも




「でも先生



あたしは先生が笑ってくれてたら



あたしは笑顔になれる



だから笑おう?






確かに壱さんは今とても辛いと思う





けど先生もまた元気じゃなくなったら




あたしも壱さんももっと悲しいよ




先生も壱さんもひとりじゃないから




頑張ろう?



なんか辛かったらあたしでよかったら力になる



だからせめてみんなの前では笑顔でね」








先生はうつむいた顔を少しだけあげた