「早乙女さんもお母さんもみこの事を考えて家に連れて帰るのはやめてけど
本当は直ぐにでも病院に連れてってそばにいてあげたいって思ってること忘れないであげてな」
「はい」
「人はさ、無い物ねだりなんだよ」
「・・・」
「あの家に生まれたらとかああだったらとか思っちゃうんだよ」
「うん」
「俺の場合は長男に生まれてこなければお金持ちの家じゃ無ければって思うことある」
「!?」
会長が?
そんなこと?
「オレは人にチヤホヤされるの嫌だし。女のコとか謎だし。なんであんなキャーキャーうるさいかな」
「フフッ」
あ
笑っちゃった
ダメだったかな?
顔をあげると会長が優しい笑顔を向けていた
ドキッ
「でも、違うんだな。今の状況が自分自身なんだってこの先どうするか選ぶ事だって出来る
だけど、違う家にいる自分は自分じゃない
自分が求めてる自由は違う自分を求めてるだけなんだ
自分を好きになればそれを含めた自分に気づくんだ」
