あつく設定したお湯が、
行為のだるさを残すこの躯を打つ。
ぼぉっとしていた意識が戻ってくる気がする。
ボディーソープを泡立てたが、
躯を洗うことを止めた。
躯に残った貴方を洗い流してしまうことが急に嫌になったから。
流れ続けるシャワーによって手の中のスポンジから、
沢山の泡がただ、流れていくのを見つめていた。


そのあと、眠気が覚めてしまうまでお湯に打たれ続けたのは、
彼が眠りにつくまで、ベットルームに戻ることが嫌だったから。


溢れる涙は流れる水がなかったことにしてくれた。
彼が自分のと一緒に買ってきてくれたバスロープを、
彼と同じように引っかけてベットルームに向かう。

全ての電気を消してから、
扉を開ける。
貴方の眠りを邪魔したくはない。