汚れたシーツにくるまりながら、
バスルームからの水音を聞く。
ベットの中のあたしは、貴方の痕跡をひとつひとつ、拾い集める。
貴方の香りも、
貴方の温かみも、
貴方の、あたしへの愛も。
一つずつ拾い集めて、
丁寧に数え上げた。
昨夜よりも、一つでも多く見つめられることを期待する。
でも、
本当に望んでいることは、
行為の後の貴方が優しいこと。

優しく抱きしめて、そっとキスをして?

言葉にすることは出来ない望みは、暗いベットルームの中、
行き場もなく、彷徨う……

そばにいられることが何よりも大切だ。
彼の「特別」でいられる距離が大切だ。
何よりも。
行為の後、貴方がさっさとバスルームへと消えていってしまった後の心の中の虚無感は、
こうして、ベットの中に残る貴方を拾い集めることで満たすから。

大丈夫