お月様の飼い主

「なぁ、今夜は月、見んでえぇの?」

「ぅん。」

「昨夜はあんなに必死で見とったのに。」

眠たそうな貴方の声が、ぽつぽつと紡ぐ。

手遊びのようにあたしの髪を遊んでいる。


「昨夜は満月だったから。
後は、欠けてゆくだけだから。」

欠けてゆく月は見たくないの。

「ふーん、なんやお前らしなぁ……



なぁほんなら、次の満月には、夜、ドライブ行くか。」