お月様の飼い主

「でも、でもさっ、
足の指、一本だけだしっ、
薬指だから、あんまり、見えないしっ。」

楽しそうに、貴方が笑った。

「ふふ、お前、なにそんな一生懸命になってんねん。」


「だって…取れっていうから……


おそろいだもん。
取りたくない…。」

恥ずかしさに、搾り出した声。