そんな大人な対応をさらっとするなんておもしろくない。
よかった。何もやましいことないんだ。
ふたつの正反対な思いがあたしの中を渦巻いた。
「なら、いぃぢゃん。」
「あかん。」
まるで、いますぐに除光液を持ってこいと言われてしまいそうな雰囲気にあたしは慌てる。
貴方はこんな風に飾る事が嫌な古典的な男体質だから、
本当に嫌なんだろう。
あたしのいたずら自体が嫌なわけではないのは、
わかっている。
ただ、飾るのが、嫌なだけ。
変な確信………
不安にばかりなるくせに。
冷たいと、心のどこかで思っているくせに。
そんな確信は、ある。
そんな優しい確信を貴方は投げてくれる。
だけど、左薬指のおそろいを取ってしまう事は、
とても抵抗があって。
わがままだと、
甘えているだけだと、
わかっている。
だけど。

