お月様の飼い主

「お前やろ。」

ぼそっと呟いた貴方の声は怒りを含んでいなかった。
それに安心して、次の言葉を促す。

「足、塗ったのお前やろ。」

「あぁ、うん。
綺麗でしょ?」

笑って答える。

「あかんやん。
俺のキャラやないやろ。
誰かに見られたらどないすんの。」

「ぇ?
あたし以外、誰か見られたら困る人の前で脱ぐ予定あるの?」

わざとらしく聞いてみるけれど。

「あほか」

と、一言で蹴散らされてしまった。