お月様の飼い主

「あ、また塗ったんや。」

食事中、貴方があたしの爪を見て言った。

「ぅん、綺麗でしょ。
昨日の満月の回りに、こんな風な淡いピンクが………」

爪を見つつ言うと、
貴方は、好きなんやなぁなんて呟いた。
その声は本当に興味がなさそうで。
さっき、食事の準備中にスリッパから見えた自分の足の爪を見て、
おそろいを感じて嬉しくなった事は貴方には内緒だ。