その瞬間、私はハッと目を覚まして、飛び起きた。


「また…夢?」


私の朝は、必ずこの夢を見て、飛び起きることから始まる。


「また…泣いてる…」


そう呟きながら、私は濡れている頬を拭った。


夢の内容は覚えていないけど、風景は何と無く覚えている…。


人の顔は覚えていないけど、声は何と無く覚えているの…。


夢から覚める度に、胸がギュッと締め付けられるように苦しくなる…。


切なくて、何だか恋しくなって、愛しくなって、不思議な感覚に陥るの。


夢の中での風景は、何処か懐かしくて寂しい…。


自然の中にひっそりと大きなお城が建っていた。


イギリスやフランスの貴族のようなお城…。