今日も天気は良くて、でも身をまとう空気は秋から冬に変わるような冷たい風で

私はその空気を肺いっぱいに吸い込んで、吐きだした

自分も自然の中に溶けたかのような清々しい、不思議な錯覚に襲われた


「んーっ」


私は小さく伸びをして、望月くんの前に立った


「あ、あのさ、望月くん!」


「ん?」


ずっと聞きたかったけれど、いつまでも聞けずにいたこと

教えてくれるの、かな?


「望月くん、の」


「うん」


いちいち相槌を打ってくれる望月くん

きっと教えてくれる、よね?


「望月くんの部屋って、何号室!?」


聞いた!聞いたよ!!

なんだかずっと聞けなかったんだよね

天気が悪い日は屋上に来れないから会えなくて、メールだけ

そんなのなんだか寂しいから、そんなときは私が会いにいけばいいんだ!、なんて思ってたんだ


「オレの、病室?」


「そう、何号室だか教えてもらっても、いいかな?」


「雪乃は?」


望月くんは、私の問いに答えずに、


「雪乃の部屋は何号室? 雪乃が教えてくれたら教えてあげる」


逆に私に質問してきた


「わ、私は206号室!!」


私が難なく答えると、望月くんは、


「オレ、108号室」