岩内さん、フォーカス!

「面!」



勝敗が決する。



「ああ、悔しい!」



彩香は地団駄を踏んだ。



「入江は強い」

「嫌味かい?」

「そんなつもりじゃない」

「でも、悔しいもんは悔しいもんなの!」



私はどうしたらいい?

入江はたまに、理不尽だ。



彩香は面を外した。



「今日はこれまで。各自、着替えて帰宅!」



望が寄って来る。



「先ほどの試合の決め手は、なんでしょうか?」

「ああ、さっきのは…」

「岩内。帰宅!」



振り返ると、彩香はずんずんと歩き去って行くところだった。



「…帰りに話すよ」