岩内さん、フォーカス!

先を歩く萌の背中を見る。



広いな、背中…。

岩内先輩、なんだか王子様みたいだなぁ。

ファンクラブもできるか。



校舎裏。



「悪い、こんな所で…」

「いえ、僕はいいんですが、なんで校舎裏に?」

「ここなら、人目が無い」



…ああ。

ファンクラブとかに追い回されてるのかな。



萌は一枚の写真を取り出した。



「これ、ありがとう」

「気に入っていただけましたか?」

「ああ。私にもこんな顔ができるのかと思った」

「よろしければ、差し上げます」

「いいの?」

「はい」



萌はやわらかに微笑んだ。



「ありがとう」



…王子様なんかじゃない。

岩内先輩だって、立派な女性だ。