岩内さん、フォーカス!

「それは?」



踏み台を指す。



「萌を対等な高さで抱き締める用の踏み台」

「なに、それ?」



望は頬を掻いた。



「自分より背が低い男と抱き合うのは嫌かなと思って」



望…。



「そんなこと、気にしないよ」

「…本当に…?」

「本当だよ。背丈なんて、どうでもいい。望が望なら」



望はまた頬を掻いて、踏み台を畳んだ。



「…二千円」

「マジ?」



一拍置いて、同時に笑う。



「行こうか。萌」



手を差し出される。



「うん。望」



手をとり、固く握った。