岩内さん、フォーカス!

「望くん。岩内さんとの文化祭デートの前に、記事の大枠だけでも、決めておけよ」

「はい」

「念の為に言っておくけど、岩内さんだけに偏った記事にはするなよ」



げ。

そうする気、満々だったな。



巧は溜め息をついた。



「公私混同をするな。羊くん」

「工藤先輩に言われたくありません。この前、種田先輩と、部室でシてたでしょう。狼さん」

「あれは、完全にプライベートだから」



言って、巧は身を強張らせた。



「…なんで、知ってんの…?」

「床に、溶けたロウソクの跡が残ってました」



巧は頭を抱えた。



「Mに目覚めたんですね、工藤先輩」

「…悪いか?」

「いいえ?」



鼻歌を歌う。



「…いいよ。解ったよ。岩内さんの枠を、一般の記事と別枠で用意してもいい」

「ありがとうございます」

「その代わりに、黙っててくれ」

「はい。約束します」