「一目惚れ?」

「うん。女子剣道部の招待試合の取材をして以来」



萌は微笑んだ。



「じゃあ、何も、不安なことなんて無いじゃない」

「…そうだね」



萌はもじもじと手を差し出した。



「…手、繋がない?」

「…そうだね」



萌の手をとり、歩く。



そうだ。

何も、不安なことなんて、無いじゃないか。