岩内さん、フォーカス!

放送室の扉をノック。



「はい」



開いた扉の向こうには、英雄がいた。



「おや。小日向くん」

「特集記事が出来たので、一部、お持ちしました」

「仕事が早いね」



…早く、帰りたい。



「せっかく来たんだし、お茶でもいかがかな?」

「い、いえ…。記事を差し上げに来ただけなので…」

「残念だな。OBからいい茶葉をいただいたのだが」



嫌味無く、仮にも恋敵にそんな呑気に話せるか。

余裕綽々ってわけか?



記事を押し付ける様に渡す。



「失礼します」