100回ありがとう




「この成績じゃ、卒業できねーし」


え?まじで?

卒業できない、の言葉が
恐ろしく感じて
言葉に詰まってしまう。


「今から頑張れよ」


先生はタバコを潰して、
わたしの目を真っ直ぐに見た。


「だってわたし、馬鹿だもん…」


なかなか甘えた声を出すと、
先生は苦笑する。



「それはお前が勉強しないからね。」



まあ確かにそうだけど…
勉強は好きじゃないし。


「それにしてもこれは問題だな」



先生は一枚の紙を出しながら
ある一点を指差した。



「そ、それは…」



それは英語だった。
紙、とは成績表のこと。


思いっきり赤点の英語。
と、いうか一番
成績の悪い教科だった。