「おば様方、菜月の遺産は
寄付しようと思います。
ですから、相続権を放棄して
いただきたいのです」

健也は頭を下げた。

「寄付ぅ!?」

「どうして寄付なんか…」

「菜月の最後の願いだからです。
遺書に…そう書いてありました。
菜月は両親を失くし、幼い頃から
苦労をしてきました。
でも決して屈しなかった。
最後くらい、菜月の願いを
叶えてやりたいんです!
お願いします!」