「ちょっと、やめてよ!!佐々木くん!!」
佐々木くんの耳にわたしの声は届かない。
「佐々木、お前、こいつの味方じゃなかったのかよ??」
「いつもかばってたじゃねぇか!!」
クラスの男子たちもびっくりしてわたしたちの周りに集まる。
女子はひそひそ何か話しながらガン見。
「は??俺がこんなチビの味方なわけねぇじゃん!!演技してただけっ」
佐々木くんは悪魔のような笑みを浮かべる。
最低、佐々木くん。
「そうだったのか!!よっしゃ仲間が1人増えたー!!やっぱこいつチビだしうぜぇよなー!!生意気っていうか」
男子たちは口々にそんなことまで言い出した。
その言葉に笑い返していた佐々木くんの手が一瞬緩んだその瞬間。
春はダッシュで教室から逃げようとした。