でも春のためだもん。 「…まず、ガーゼに消毒液しみ込ませて」 わたしは春の言う通りに救急箱からガーゼと消毒液を取出す。 「できた??」 「あ、うん」 「ピンセットでガーゼ掴んで傷口にあて…ってそれは俺が自分でやるか「わたしがやる!!」 わたしは春の真正面で正座して、傷口にガーゼを近付けていく。 「痛!!もっと優しくしろよ!!」 「そんなこと言われても、わたしは優しくしてるつもりだよ」 「………」 そっから春は黙って痛みに耐えていた。 でも誰がこんなこと……。